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夏だけ姿をあらわす「曽木発電所遺構」を訪れた

by 小島健一

先日、入来麓から車で1時間ほどの距離にある「曽木発電所遺構」に行ってきました。 

現在この発電所は一般的に「曽木発電所」と呼ばれていますが、この発電所の上流に1906年「曽木第一発電所」が建てられており、1909年に建てられたこの発電所は「曽木第二発電所」となります。このブログでは一般名称の「曽木発電所」で統一します。(ちなみに、第一発電所は第二発電所が稼働する直前に洪水で大破している)

なお、この発電所は、牛尾大口金山に電力を供給するために作られたものですが、川内川の洪水を防ぐための鶴田ダムが完成時した1965年、ダム湖に水没しました。 
その後、夏の時期だけダム湖内の水を抜いているため姿をあらわします。

このように時期によって水位が変わるのです。これまでも何度か対岸の公園から眺めたことはあったのですが、今回は管理者立ち会いのもと中に入って撮影させていただきました。

外観。ドローンを使い撮影しました。
今から100年以上も昔に建てられ、普段は水没していることもありまるで遺跡のような風格です。
建物の後ろ側にある斜面の遺構は、発電用の水を通すための水圧鉄管のあった痕。

建物の後ろから撮影。水圧鉄管の入る位置がよくわかります。
また、後ろから見ると太い鉄柱の補強が入っていることもわかります。

地上正面。向かって左側が配電盤室(管理棟)。右側が発電機の置かれていた部屋です。
建物に横線が入っているのは、おそらく水の跡。

発電機室内です。平屋で2階建ての高さがあったそうです。

当時はドイツの発電機がこのように設置されていたようです。

水が入ってきたと思われる穴

それにしてもこの発電所は外観もカッコいいし、内部も美しい。
そして、この美しい姿を保つため、レンガにはいくつもの金具が埋め込まれ補強されています。

派手な装飾こそないが、無駄のない形がしっかり美しい。

正面から左側にある配電盤室内部です。
こちらには堆積した土に草が生えていました。この遺構が水から出たのは5月くらいからなので、約2ヶ月程度で伸びた草たちです。5月上旬の水を抜いて間もない頃なら、遺構の後ろの部分も含めて草が生えていないかもしれません。
 
なお、今回発電機室に土がなかったのは、台風シーズンを前に対岸から見て見苦しくないよう、内容物の撤去を行うことが多いそうで、ちょうど撮影のタイミングが清掃直後だったからのようです。


水圧鉄管の通った跡がいい味出ています。

水圧鉄管につながる導水路の痕。

蛇足になりますが、曽木の滝公園では発電所まで水を運んでいた導水路跡が歩道として利用されています。

配電盤室の裏側。
背が高いぶん強力な補強が入り、まるで書割セットのようでもあります。
 

なお、補強工事が行われたのは2005年。その当時の事や、曽木発電所の歴史に関して詳しくまとめているサイトがあるのでご紹介します。

今後この曽木発電所も姿をあらわしているうちに3DCG化したいものです。
今回掲載していない写真もいくつかFacebookのアルバムに掲載しました。ご興味ある方はご覧ください。

なお、今回の撮影には国土交通省九州地方整備局 鶴田ダム管理所にご協力いただきました。
鶴田ダムのサイトにも曽木発電所遺構の紹介があります。

↓で鶴田ダムの水位を調べられます。貯水位が135m以下の時は遺構が現われ、152m以上の時は完全に水没します。


小島健一
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